架空鉄道浜急電鉄

車両 3500形


本形式は2500形の更新車で、2500形の陳腐化に伴い特急車の置き換えが検討された際に、
2500形の本格的な更新か新形車両の投入かまじめに検討が重ねられました、
2500形からの更新は途中で打ち切られ、6500形の増備へ移行しました。
そのため、8両固定編成が1編成、4両固定編成が6編成、合計32両のみの小世帯です。

■車体
基本は2500形そのままです。側窓は一段上昇窓から固定窓となり連続窓風の処理が行われました。
その他戸袋窓が埋め込まれ、車体の腐食対策も万全です。
屋根上は引き続き一体型のクーラーキセでアンテナなどの機器を冷房装置と一体的におさめています。
前面は大幅に改修され、ヘッドライトはおでこに2灯まとめてライトケースに収められ、
標識灯は前面窓内部下部へ収まりました。前面窓は側面まで回り込んだパノラミックウインドウです。
特急車のイメージアップになりましたが、本形式以降パノラミックウインドウの採用はありません。
ピラーがないので視界が広がりますが、乗務員からは歪んで見えたり反応が芳しくなかったためです。

少数形式のため、6500形のテストヘッド的な扱いを受け、
8両固定編成には中間車一両が改造で二階建て車両とされ、車体傾斜装置の試験も行われました。
これらの実績はすべて6500形更新車へフィードバックされています。

■足回り
基本的には4000形と同じですが、特急を中心に使用する事から、
高速域の加速を重視したセッティング、起動加速度はやや遅めの3.3Km/sです。
制御装置はVVVFインバーター装置への換装が検討されましたが、
同一の制御装置をもつ4000形同様に抵抗制御から界磁添加励磁制御へ改造されたに留まっています。
前述の通り、6500形同様の車体傾斜装置を有し、台車も交換されています。

■車内[画像製作中]
2500形では、扉間転換シートでしたが、本形式では車端部もクロスシートとしました。
転換シートもわずかながらリクライニングする物が取り入れられました。
6500形も基本的に本形式と同じ流れを汲んでいます。

■改造前の2500形について

1959年に登場、4000形のベースともなった車両です。
片側2ドアを備えた車両で、国鉄の急行グリーン車に倣った窓配置や
屋根上は一体的なカバーで機器全体を覆い、すっきりとした外観が特徴的でした。
画像は晩年のものでヘッドライト位置や電動式方向幕・電照式の副標(ヘッドマーク)装置の設置等、
後天的な改造を受けています。
前面にあるステンレスの飾り帯が特急車らしさと時代を感じさせますね。
制御装置も一般的な抵抗制御+カルダン駆動と浜急の新性能車両の嚆矢となりました。
車内は浜急初の転換クロスシートが並び、車端部はロングシートでした。
3500形へ更新された32両以外は2001年、惜しまれつつも全車引退しました。